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オズベルトの砦

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KNIGHTSTALKER1

”絶望の騎士”

オズベルトは絶望した。

彼女の足は速すぎる!

このままでは見失ってしまうだろう!

誇りと共に故郷を捨てた男にとって”姫 を守る騎士”であることが
自分が騎士でいられる最後の口実なのだ!

彼は必死である!だが姫を守る理由がそもそも不誠実だ!
他ならぬ己の存在意義を見出す手段として彼女を利用しようとしているに過ぎない!

もの言わぬ青眼の娘がいつ彼に護衛を頼んだのか?

そう傍から見れば彼の行為はただのストーカー
決して褒められたものではない!


ただいまその事実を彼に突きつけるのは酷というものだろう・・


森の中無愛想な天使を見失い打ちひしがれるオズベルトの前に
突然現れた醜鼻の老人が彼に語りかける。

「ふぉふぉふぉこんな場所でどおした?失恋でもしたか?
 よいか!女のことは解らんから参考になるかは保証できんが
 惚れた娘(妖精)は追いかけるものではない!振り向かせるものじゃ!」

なんとも気障な台詞・・だが奈落の底まで落ち込んでいるオズベルトにとっては

光り輝く黄金の言葉だった!
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